館内美術館

ステンドグラス『信仰』チャールズ・R・ラム作（アメリカ）

“Religion”　Charles R.Lamb　　H234cm×W115cm

1800年後半、ジョン・ラファーグ、フレドリック・スタイメッツ・ラム、ティファニーらはアメリカ・ブルックリンのハイドガラス工場で、良き競争相手として腕を競いながらガラスに関する実験を繰り返していた。
フレドリック・ラムの息子であるチャールズ・ラムはそのような環境の下に育ち、1900年初めにはアメリカで最も有名なステンドグラス製作者の一人として、彼自身の工房やティファニーの工房などで活躍していた。

1904年、彼はジョーンズ夫人よりヴァージニア州リンチバーグに設立される記念図書館のためのステンドグラス製作を依頼された。
この製作のため、彼はニューヨークから当地に赴き、綿密な調査研究を行い、そこでたどり着いた構想が古代ギリシャ・ローマの神話という題材であった。

1908年、完成した作品は『信仰』『詩歌』『ロマンス』『歴史』の4部作として記念図書館に収められたが、その建物とステンドグラスとの調和は華麗かつ荘厳で、南部アメリカ随一の建築物として見る者すべてを魅了した。
数千ピースに及ぶガラスの製作、絵付け組み合わせ作業は約4年の長きに渡り、依頼者を苛立たせたが、その結果は十分に満足のいくものであり、これらは彼の代表作となったのである。

近年、建物の取り壊しに伴い、これらの作品のうち『信仰』『詩歌』『ロマンス』が日本に渡り、現在では教会などに安住の地を見つけ、また見る者に感動を与えている。